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ちょっと自慢してもいいかな

そうだ、介護を楽しもう、って決めたのに、最近忘れてました。
義父が思いのほか元気で、手がかからないため、手を抜いているというか、本人任せにしているところが多々あります。
ふと頭をよぎるのは、申し訳ないけれど、「こういうのがいつまで続くんだろう」という思い。
いったい義父はなんのために生きているのか、生かされているのか・・・
義父は生きていて幸せなのか・・・
このところそういうもやもやした気持ちが頭を占めていました。

今日は血液内科と神経内科の受診。
血液検査の結果、この年齢にしては上出来な感じ。
血液内科の先生は、先日誤嚥性肺炎にかかりながら、入院せず復活したことに驚いていました。
「普通ならこの年齢だと入院になっちゃうけどね、すごいな」

神経内科では、最近の様子を話しました。
直近のことを忘れる。歯を磨いたことを忘れて何回も磨く。薬を飲んだのかわからなくなる。ご飯を食べた後、また席に着くと「ご飯これからでしょ」とか言う。
夜中にひげをそる。何回もシャツを着替える。昼寝から起きると朝だと思う。朝起きて「これから夜でしょ」と言う。
「今日(デイサービス)何時(に迎えにくる)?」と何回も聞く。「○時だよ」と答えると「そうか」と言うが、しばらくするとまた「今日何時?」と聞く。等々。

これらは認知症の典型的な症状だそうです。
確実に認知症の症状は出てきているので、アルツハイマーの薬を試してみてもいいかもしれないと言われました。
でも、薬だからやはり副作用があるとのこと。

頭をはっきりさせる薬なので、イライラしたり怒りっぽくなったりというのがあるかもしれないとのこと。
また、やはり内臓への影響もないわけではなく、言い方は悪いが、今ぼけていてわからなくなっていることが、頭が冴えることによっていろいろ気になってきて、うるさくなるかもしれないと。
し銀顆粒性認知症は、高齢で発症した場合、ゆっくりと進むので、今あまり困っていないならしばらくこのまま様子を見たほうがいいのでは、とのことで、そうすることにしました。

だって、義父はいろいろ忘れるし、変なこと言ったりしたりもするけれど、今のところ怒って怒鳴り散らしたり、暴力をふるったりなどということがなく、穏やかだからです。
そりゃ、ときどきは「うるせーな」とか、「まったくめんどくせー」とか言うけれど、それはしかたがないと思うのです。

今のところ、「祐子さんがいなかったらなにもわからねーや」と言って、私の言うことは素直に聞くので、まったく扱いやすい認知症です。これはありがたいことなのだと思います。

病院が終わると、私たちの仕事場のあるマンションまで車椅子で行くのですが、途中何度か降りて歩いてもらっています。
車椅子を押しながら歩くと、杖で歩くよりずっと早く、軽やかに歩けるのです。これにはびっくりです。


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今日も仕事場への移動中、車が少ない静かな通りに出たので車椅子を降りて歩き出そうとしたところで、「おいくつなんですか?」と、いかにも義父よりも若いけれど、元気がなさそうな男性に声をかけられました。
「96歳です」と言うと、「お元気ですね~」とびっくりされました。
「96歳です」と言うときの私は、ほんの少し自慢げだったかもしれません。

スタスタ歩く姿を少し後ろから見ながら、思わず「ほんとだよ~」とつぶやきました。
これ、ちょっと自慢してもいいよね。




by you-arsession | 2017-09-01 20:03 | 100歳に向けて